美容室のシェア率を高める

今回は、何十年と変わらない、変わっていない(もしかしたら、変えようとしていないのかも?)という美容業界の働き方、店舗出店の仕方について触れてみようと思います。

現在の美容業界について

近年、戦略的な美容室経営者が増えてきたのも事実。

しかし、美容業界では圧倒的強者(例えば自動車業界で言うなれば、トヨタのような企業)がいません。

自動車メーカー売上ランキング

売上高 シェア率 純利益
1位:トヨタ 29兆円 40.0% 2.3兆円
※レクサス・ダイハツ含む
2位:ホンダ 15兆円 20.7% 4千億円
3位:日産 12兆円 16.5% 5千億円
4位:スズキ 3兆7千億円 5.1% 1千1百億円
5位:マツダ 3兆4千7百億円 4.7% 1千3百億円
6位:スバル 3兆4千億円 4.6% 2千6百億円
7位:三菱 2兆2千億円 3.0% 7百億円
8位:いすゞ 1兆9千億円 2.6% 1千1百億円
9位:日野 1兆7千億円 2.3% 6百億円

トヨタがシェア率40%と圧倒的シェアを取っていますね。シェア率が高いと利益率も高いです。

純利益2兆円って圧倒的ですね!もはや途上国の国家予算に匹敵しそうなレベル。

美容業界売上ランキング

美容業界でのトップを見ていきましょう※上場企業のみになります

日本国内で4社あります。

売上 店舗数 営業利益
アルテサロンHD 76億円 309店舗 5.2億円(JASDAQ)
※グループ売上175億円
MHグループ 18億円 64店舗 -0.4億円(JASDAQ)
ヤマノHD 150億円 87店舗 2.2億円(JASDAQ)
田谷 105億円 123店舗 -0.5億円(東証一部)

実質ナンバー1アルテサロンHD

アルテサロンは独立産業と言われ続けてきた美容業界に独自の「フランチャイズ型美容室」を確立しました。

出店は駅前の好立地に店舗展開し、その店舗で頑張って結果を出した店長に転貸し独立を支援するという制度です。

普通のフランチャイズ展開でしたら、オーナーは外部の人ですが、アルテサロンは一緒にやってきたメンバーがFCオーナーになるというのが強みですね。

美容業界では珍しい店舗展開のおかげで、店舗数は309店(Ash,NYNY等)と最も多いです。

店舗展開もドミナント方式を採用しており、首都圏を中心に戦略的に店舗展開しています。

FCを含めたグループ売上は175億円にもなり、業績と共に美容室業態No.1と言えるでしょう。

MHグループ

CMでも有名なモッズ・ヘアを運営しています。

店舗展開はフランチャイズ方式を採っていますが、アルテサロンと違いオーナーは外部からです。

店舗数は64店舗と4社の中では1番少なく、現在は韓国・台湾・中国に展開を進めているそうです。

MHグループは他にも、TV番組のヘアメイクを行う「ヘアメイク事業」や美容室向け保険や、決済事業などの「美容室支援事業」を行っています。

ただ、直近は-4000万円の営業赤字となっています。

ヤマノHD

4社の中で売上高は1番高いですが、売上70%を占めるのは「和装事業」と言われる着物の販売や着付けが中核の企業です。

美容事業の売上は14%で87店舗(My jStyle、PLAZA HAIR)関東、関西を中心に出店方法はチェーン展開しています。

田谷

美容業界で唯一の東証1部企業です。

TAYAというブランド名で美容室123店をチェーン展開しており、4社の中で1番純粋な美容室事業を行っています。

ただし、直近の業績は-5000万円の営業赤字となっています。

上場4社を見ても448億円と美容市場1兆5000億円で見ても2.9%(未上場での大手阪南理美容、アースホールディングスetc..)大手の売上を含めても6.9%と、まだまだ中小企業でも割って入るポイントが多々あります。

新興勢力

近年だと、新興勢力として、

OCEAN TOKYO/東京

メンズかつ若年層をターゲットとした高付加価値市場開拓

Dears/長野

サロンオペレーションの仕組化、独自FCによる3年で全国80店舗化

COLORS JAPAN/石川

トータルビューティーをエンターテインメントに、客層別ブランド戦略

rak hair/東京・福岡

ターゲット設定とコンセプトの明確さ、福利厚生の充実

SERENDIPITY/北海道

タッチポイントを増やす事業展開(カフェ、訪問美容、着付けヘアメイク、レンタルスペース兼自社スタジオ、デザイン業務受注、PBアイス販売)

FERIA/大阪

人間力に基づく家族主義、アイラッシュサロンとの送客システム

Lily/東京

カット料金5万円、髪質改善、くせ毛に特化したサロン作り、youtube等のメディア戦略

 

など、各社セグメンテーションが明確で、ひたすらPDCAをブラッシュアップさせスケールさせてます。

これからの美容業界の店舗展開について

これからの美容業界の店舗展開は、いかに明確なコンセプトの元、拠点とするエリアでのシェア率を獲得して上げていけるかが、ポイントになってきます。

エルパライソは福井県を中心に髪質改善サロンとしてのポジション獲得に全速力で展開中です。ドミナント方式で県内に16店舗2025年までに計画実行中です。

近年、コモディティ化の速さを本当に実感しております。

レッドオーシャンと言われている美容業界ですが、逆にブルーオーシャンではないのかと本当に思います。

事業はパクられる事を前提に設計する事。表面的にパクられても本質を理解していなければ優位性は変わらないかと。

髪質改善サロンとして、パクられたところで大して問題ではない。

圧倒的シェア率獲得に向け、PDCAをひたすら繰り返し継続するのみですね。

何事も仮説と検証。ここに尽きるかと思います。

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